詩人GOGENNORIHU

詩を書いています。

人間

空を高く飛べるわけでもなく

陸を早く走れるわけでもなく

海に深く潜れるわけでもない

何のために生き残ったの?


大きな体を手に入れたもの

鋭い牙を手に入れたもの

大きな翼を手に入れたもの

なんのために勝ち残ったの?


利口な頭がなかったとしたら

すぐに滅びていたはず



支配したものを動物と呼び

我々が「人間」になった日

生き残った意味を 与えられた使命を


この星を守り抜くために選ばれたのが人間で

この星を今止めようとしているのも人間だ

むじゅん


長生きはしたいけど年は取りたくない

旅館の朝

ぼんやり暖か

ぬくもりの中

差し込む光と障子が抱き合う


さわやかで少し冷たい空気が心地よい

部屋の中が一瞬で朝になる


朝靄が小さな川とゆっくリ流れる

風は吹かぬが木々が少しだけ囁く


なんと幸せな朝だろう


体に少しづつ血が巡る

私はこの幸せの朝に会いに来たのだ