詩人GOGENNORIHU

詩を書いています。

幸せな日々

引き金を引くためにこの指はあるんじゃない

誰かを捕まえるためにこの腕はあるんじゃない

命令を聞くためにこの耳はあるんじゃない

爆弾を落とすためにこの目はあるんじゃない

誰かを追い詰めるためにこの足はあるんじゃない


呼ばれて 

駆け寄って

見つめて

触れて

抱きしめるためにあるんだ




当たり前の朝を 当たり前の日々を 生きてるってことを 

幸せだってことを 忘れてしまっている


愛される喜びを 愛する喜びを 幸せな日々を

わたしはあるいている

わたしは草原をあるいている


地平線が四方に広がる

まるで四角い板の上にいるかのようだ


風が吹いたり

雨が降ったり

雷が落ちたり


たまにはこんな事もあるけれど


だいたい同じ四角板 

だいたい同じ地平線



でもでも私はあるいている

毎日毎日あるいている


景色が変わることはないけど

わたしは毎日歩いている


「毎日同じ繰り返し、何もしていないのと同じじゃないか」


誰かが横でつぶやいた


でもでも私はあるいている

毎日毎日歩いている


景色が変わることはないけれど

わたしは毎日歩いている


「進んでいるよ」と言われたいけど

「こんなによく歩いたね」と言われたいけど


そうじゃなくてもへっちゃらなんだ


だってわたしはあるいている

毎日しっかり歩いている


もしかしたらそのうち海にでるかもしれない

でもずっと草原かもしれない


それでもわたしはへっちゃらなんだ

ずっと沼地をあるくより

平坦な道でも幸せなんだ


たまに吹く風を大きくすい込んで


わたしは毎日あるいている

わたしは毎日あるいている






むじゅん

東京に行けば何とかなるという自信はあるが


東京に行く勇気はない